映画祭ができるまで
映画祭ができるまで
世界中の映画祭を飛び回る黒猫「キネコ」
歴史あるキンダー・フィルム・フェスティバルが新しく生まれ変わり、よりパワーアップした「キネコ国際映画祭」。毎年8月に開催される映画祭は、プロデューサー、ディレクターを中心とした数名のスタッフによって運営される事務局を中心に、子どもたちのために立ち上がったプロフェッショナルの方々、開催会場スタッフのみなさん、ライブ・シネマを演じる声優さん、海外からのゲスト、フェスティバルをさらに盛り上げてくれる大道芸人さんなど、たくさんの人の協力の輪によって、つくられています。
そんな楽しい映画祭ができるまでのスタッフの1年を、ご紹介します。
キネコ国際映画祭プログラミングディレクターの1年
11月
来年度の映画祭に向けた準備の始まり
 
a来年度のキネコ国際映画祭まで10か月近くありますが、すでに準備は始まっています。世界の映画祭に参加したり、独自のルートで世界各国の配給会社から、上映候補作品を探したり、サンプルを送ってもらったり、下準備を始めます。
また、スポンサーさんへの営業がいよいよ本格的に始まるので、来年度の企画書を作ります。プレゼン資料の準備や、プレゼンに同行したりします。
そしてさらにさらに、夏の映画祭のほかにも、月に1~3本の全国映画祭があるので、準備のために、映画祭会場の下見のための出張や、上映プログラムの決定、映画祭チラシ・進行台本・MC台本の作成など、良い映画祭を一緒に作っていくために、夏の映画祭の準備と並行して、コーディネート業務も行っていきます。もちろん、必要に応じて、全国映画祭の運営を現地でサポートもします。
12月
海外作品の契約締結、上映作品収集、ボランティアさんとのお別れ
 
a新しい上映作品の収集を行いつつ、海外担当の方と一緒に、すでに契約している作品の情報を整理し、海外の配給会社と作品の契約更新をします。
そして、師走の時期といえば、そう、年賀状を作り、お世話になったみなさまへの挨拶を行います。また、1年の終わりを迎え、夏の映画祭を手伝ってくれたボランティアやアルバイトの方々とも、最後の締めを迎えます。
1月
来年度のメインビジュアルデザイン開始とベルリン国際映画祭への準備
 
年明け後も、のんびりとはしていられません。まずは映画祭のメインビジュアル(ポスターやチラシのメインとなるデザイン)会議を行います。デザイナーさんと一緒に、キービジュアル案を出していきます。上映作品、企画なども企画書に反映できるよう、少しずつ話を詰めていきます。
また、来月はベルリン国際映画祭へ出張に行くので、ベルリンでのミーティングのアポ取りや、上映作品の情報収集、3月実施の映画祭の準備など、様々な準備が続きます。
2月
ベルリン国際映画祭へ出張
 
a2月はコンペ作品決定のために、とにかく作品をたくさん観る月です。ベルリン国際映画祭では、1日に長編映画2~3本+短編映画10本くらいを鑑賞。さらに、海外配給会社のブースを回りに回って、良い作品がないかヒアリング。いつの間にか気付いたら、資料の山でスーツケースが2つでも足りないくらい!そして、毎日日本でお留守番をしてくれているスタッフへ、鬼のような量の映画祭レポートを送る日々が、約1週間続きます。
帰国後も、ベルリンで出会った気になる作品のサンプルを送ってもらったり、3月の映画祭の準備をしたりと、いつの間にか2月も終わってしまいます。
3月
せたがや子ども映画祭と夏の映画祭の下地作り
 
毎年3月には、せたがや子ども映画祭の企画・運営を行っています。2日で4,000人近い方々が観に来てくれるこの映画祭が終わると、徐々に夏の映画祭の足音が耳の近くに聞こえてきます。
この頃には、映画祭のメインビジュアルがほぼ決まってきます。というのも、夏の映画祭の宣伝を本番2~3か月前の5~6月に本格的に行うためには、この時期にはメインビジュアルが決まっていないといけないのです。
そのメインビジュアルをもとに、テレビ・新聞・雑誌・WEBなど、さまざまなメディアに出すための宣材(PRするためのチラシやお知らせ等)の作成を開始し、今年の映画祭のPR案内を出します。
その際に、映画祭の目玉となるコンペ作品も少し載せなくてはいけないので、企画の作成も本格的に始動します。毎日、応募作品を観ながら、出版社やテレビ局、WEBメディア等に売り込みをかける日々が始まります。
4月
企画会議の毎日とゲストブッキングと宣伝ピーク(雑誌)
 
宣伝のピーク(雑誌)を迎えながら、4月には企画会議が続きます。 上映作品の決定のほか、大使館へ後援のお願いや、タイアップのお願い、映画上映以外のワークショップ案、どんなゲストを映画祭にお呼びするのか、映画祭について著名人に応援コメントをもらったり、などなど、予算とにらめっこしながら企画会議を重ねます。
そして、ゲストには映画祭のご案内と出演のお願いをするべく、電話をしたり会いに行ったり、やっぱり外に行く機会が連日続きます。
宣伝はここで一回目のピークを迎えるので、「リリース」という映画祭の概要をまとめたものを作成し、雑誌社など関係者にいっせいにご案内します。この発送作業もたくさんあるので、なかなか大変で休み返上状態です。
そんな中でも、他の映画祭のコーディネートは月に1本あり続けますので、そのお仕事もやります。
5月
コンペ作品の最終決定&翻訳の開始&声優さんへのライブ・シネマのお願い&
第一弾チラシ作成&予告編の制作&宣伝ピーク(雑誌取材)
 
a5月の上旬には、コンペ作品がすべて決定します。そうなって来るといよいよ映画祭が動き出します。まず、海外へ正式に上映オファーをし、映画の写真や英語の台本、その他PRに使える素材を一式もらい、第一弾のチラシ制作、そして映画祭の魅力の伝わるような予告編の制作に取り掛かります。
同時に、英語の台本を日本語の台本にする作業を翻訳者の方へお願いし、出来上がった台本と作品をもって映画祭の命でもある、「ライブ・シネマ」のお願いを声優さんにします。声優さんはここから約3ヶ月、本番に向けてライブ・シネマの練習に入ります。
そんな中雑誌の取材がピークを向かえ、取材日に1日当てたり、取材の調整をしたりもします。そしてやっぱり月に1回の他の映画祭のコーディネートは続くのです。
6月
第一弾チラシ・ポスター完成&パンフレット制作&第二段チラシ制作&
前売り券発売の手配&予告編の完成&宣伝ピーク(チラシまき&テレビ・新聞取材)
ボランティアさん面接のはじまり
 
ここら辺になりますと、平日は残業という名のもとのお仕事が重なってきます。なぜかというと、映画祭のパンフレットの構成を考えたり原稿をつくったり、チラシのレイアウトを考えたり、予告編のラフ動画とにらめっこしたりと、宣材物のピークがきつつ、今度はテレビ・新聞・WEB取材などの宣伝ピークがきたりするからです。
パンフレットの構成と原稿を作る、、、ということはですね、映画祭の全容を決定する、ということなのです。映画祭の全容、というのは、上映作品はもちろんのこと、各回のプログラム、ワークショップ、日本人ゲスト、海外からの来日ゲスト、上映以外の企画、グランプリのトロフィーデザイン、と、もう全てです。ここは映画祭の要ですので、かなり命を削ってみんなであーでもない、こーでもない、と意見を出し合い、決定します。そうやってやっと決定した情報をうまくまとめてパンフレットやチラシにするのも、大変ですけど、こんな映画祭が始まるんだ!という思いも再認識ができ、気持ちが盛り上がります。
そうやって出来た愛しのチラシちゃんは、さっそく街にまいたり、映画館や親子で訪れそうな施設やイベントを調べて、チラシを置いてもらえるよう電話で交渉したりと、地道に草の根作戦で浸透させていきます。
同時に、その情報を公式サイトに掲載するよう、社内のWEB担当の方にお願い、調整していきます。また、前売り券発売の手続きもこのくらいの時期に行います。
さらにさらに、映画祭当日には100名を超えるボランティアさんがお手伝いに来て下るのですが、キンダー・フィルムでは、そのお一人お一人、面接をさせてもらっています。一人一人の熱い思いをしかと面談させていただく、その大切な面接も、これくらいの時期から始まります。
そして、くどいようですが、月に一度の他の映画祭のコーディネートは7月まで続いています。
7月
第二段チラシ・ポスター完成&前売り券・招待券完成&
パンフレット完成&広告の作成&宣伝ピーク(ラジオ・テレビ・新聞・WEB)
&上映素材の作成&進行台本の作成
 
aこの頃になると、姿勢がややおかしくなります。そうです、首と肩がつかれてきます。でも映画祭まで1ヶ月!成功に向け、走り続けるのみです。 7月は第二段チラシやポスター、前売り券、招待券、パンフレットなど続々と宣材物が完成してきます。
ひとくちで完成といっても、実はこういったものは、完成させるまでに、色々な企業さまなどの確認・承認が必要で、完成にこぎつけるには、結構時間がかかります。なので、入稿ピーク(完成データを印刷会社に印刷依頼することを入稿と言います)が重なるともうにっちもさっちも状態です。でもそうやって出来た大切な映画祭グッズは、映画祭本番や、本番前の大切なツールになるので、しっかりと作っていきます。
そして映画祭開催まで1ヶ月をきると、上映素材を作ります。なぜかというと、海外の作品はそのまま日本では上映できないので、一度変換作業、というのが必要になります。「マスター」と呼ばれるもとの素材から上映素材を作り、映写会社さんに事前にチェックしてもらいます。
また、1ヶ月前をきる頃には、映写屋さん、音響さん、照明さんなどを入れた「劇場ミーティング」というものを開催し、当日の進行に関して細かく確認していきます。そのミーティングに必要なグッズ(進行台本、MC台本)を作成し、全てのプログラムごとに細かくチェックしていきます。
海外の来日ゲストの渡航最終調整もこの時期ですね。英語は出来ないので、海外担当と確認を取りながら、情報を共有していきます。
というのもやりつつ、テレビやラジオ、WEB、新聞の宣伝のつめを行ったり、広告案を考えたり、するので、毎日が24時間じゃ足りないくらいの日々が続きます。
8月
映画祭本番!!&宣伝ピーク(テレビ・新聞・WEB)
 
aいよいよ、本番です!最終の進行表、MC台本を携えて、ゲスト、声優さん、MCへ最終確認を行なったり、ボランティアさん説明会を行ったり、カメラマンさんと打ち合わせをしたりと、映画祭直前は確認事項がとにかく沢山です。
当日の運営方法・人員配置に関しての最終確認もみんなで行っていきます。
そして、映画祭当日にマスコミを呼ぶべく、リリースと呼び込みを行ったり、対応したり、本当映画祭本番1秒前までやれるだけのことをやります。
そして、ついに迎える本番・・・・!!!PDは主に劇場運営の調整を行います。また、ゲスト対応、時にはMCも少しやってみたりします。本番は沢山のお客様とボランティアさんの笑顔に支えられながら、映画祭をめいっぱい楽しみます。
9月
映画祭報告書の作成とリフレッシュ期間
 
a映画祭が終わった1ヶ月間は、リフレッシュ期間と勝手に名づけています。 映画祭を振り返りながら、約50ページの分厚い報告書を作成し、お世話になったみなさまへ映画祭の報告をした後は、次の映画祭に向けて鋭気を養うために、旅にでます。
もちろん、旅に出る前に、翌月の東京国際映画祭みなと上映会のプログラムを決めたり準備はちゃんとしてからですので、ご安心ください。
また、有難いことに8月の映画祭を観た多くの方から、うちの地域でも映画祭をやりたい!という有難いオファーをこの頃沢山頂きますので、新規映画祭のコーディネートに取り掛かります。
10月
東京国際映画祭とレッドカーペット
 
a東京国際映画祭のみなと上映会では、キネコ国際映画祭のグランプリが上映されます。その進行や、キンダー審査員がレッドカーペットに招待され歩くので、フォローとアテンドをします。
この東京国際映画祭が終わると、キネコ国際映画祭も一幕閉じ、来年度に向けて再出発するのです。
こうして映画祭がつくられていくのです。
おわり
※2016年のキネコ国際映画祭は11月に開催します。
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